真っ白な世界に、私とあなたで愛を描こう
「体、平気か?」
「ン、ちょっと辛いだけ、平気」
砂のにおいと、青臭いにおい、それと、二人の汗のにおい。その全てが交じり合って、私の鼻腔をくすぐった。変えたばかりのシーツに包まりながら、私はフフフ、と笑う。すると、背中合わせで私の後ろに寝ていた御幸が私のほうへ体を向けなおし、後ろから私の体をぎゅっと抱きしめた。
「御幸、どうしたの?」
「んー?いや、なんかすっげぇこうしたい気分になって」
「ふふ、なにそれ」
御幸の体温に包まれて、私は更に笑みをこぼした。ぎゅっと抱きしめられたせいで腰がズンッと痛んだが、それさえも愛しく思えてしまう。私のお腹の前で組まれていた少し太くて骨ばった御幸の指を人差し指でなぞれば、御幸はその指を解いて私の指と絡めた。指を絡め合い遊んでいると、首筋に御幸の唇が落ちてきた。うなじにキスを落とされて、そしてそのまま肩に顔をうずめられる。
「御幸?」
「なんか、さ」
「うん?」
「幸せ、だよな」
御幸の言葉に、私はただ頷いた。御幸は喉を鳴らして笑って、やばいなぁ、と呟いた。なにが、と聞くことはなく、私はただ御幸の暖かさに包まれながら、まどろみの世界を漂う。
愛をなぞって世界を紡ぐ
(世界を変えて、2人の色に染め上げる)